舞踊評論家が日々思うこと


by mitsuko-t-sakurai

観劇三昧

1月6日は観劇三昧。7時間強、客席にいた。
12時からは、国立劇場での新春歌舞伎。
演目は名古屋開府400年記念の「旭輝黄金鯱(あさひにかがやくきんのしゃちほこ)」。
18世紀後半に初演され、人気を博していたが、大正期に入り、上演が途絶えたという作品。

復活上演というのは、バレエでもオペラでも行われている。
長い間上演されなかった作品が、いま、蘇った、というのはそれ自体がドラマティックで、興味津々、見に行くが・・・
結局は、「復活」の有り難さよりも、「・・・だから上演が途絶えたわけか」と納得することが多い。
筋が込み入りすぎていたり、盛り上がらないドラマだったり。
多くの場合、一度見たからもういいや、と思う。
で、上演自体もその一回で終わることが多い。

だから、あまり期待はしていなかった。
しかし。
かなりかなり面白かった!!!
筋はたしかに込み入っている。
盗賊が公家に化けて、でもその人は実は殿様だった・・みたいな登場人物が何人も。
でも、だから同じ役者が、様々な衣裳で登場して、それはそれで楽しく、
で、後で考えると、「ああ、だから盗賊といっても、どこか品があったのね」、と納得したり。
客席の上を役者が大凧に乗って飛ぶというシーンも見ごたえたっぷり。
大凧がたどり着くのが舞台上の巨大な名古屋城の瓦屋根、金の鯱(しゃちほこ)が光っている。
別のシーンでは、舞台上に水が流れ、巨大な鯱と赤い褌(ふんどし)姿の役者が格闘する。ここもスゴイ。
休憩込みの4時間があっという間だった。
舞台作りに真摯さと、サービス精神が感じられ、それがとても心地よく嬉しかった。
ぜひ、また見たい「復活上演」だった。

6時半からは、オーチャードホールでのレニングラード国立バレエ「バヤデルカ」。
大スター、ルジマトフが主役だ。
そして、なんと往年の名ダンサー、ニキータ・ドルグーシンが大僧正を演じた。
神職(この作品は仏神混在)にありながら、巫女に心を奪われ、後の悲劇を引き起こす張本人。
重要な脇役の思いがこもった演技に目が離せなかった。
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by mitsuko-t-sakurai | 2010-01-07 16:54