舞踊評論家が日々思うこと


by mitsuko-t-sakurai

ロシア紀行6~レソザボツク3

そもそも、レソザボツクに来たのは、
シベリア鉄道に乗ってみたかったから、ではなく、
トボーロク&スメタナを食べたかったから、でもない。
夫たちが来ることを待っている
ウラジオストクの日本舞踊愛好家たちのため、
日本舞踊の公演&レクチャーをするためである。
だが、季節は夏。
ウラジオストクの人たちは夏の休暇で故郷を離れる。
で、子どもたのサマー・キャンプの地、
レソザボツクに案内されたのだった。

だから、トボーロク&スメタナで喜んでいる場合ではない。
「劇場の下見はいつですか?」
だいたい、劇場なんてありそうにもない街。
それにタクシーから眺めても、
人はほとんどいないし、さっきのレストランもガラガラ。
公演とかレクチャーに来る人などいるのだろうか?
Y氏は「大丈夫!」というが、夫は不安顔。
ロシア人の「大丈夫」は、ぎりぎりまで冷や冷やさせるのであると、
私は諭す。

果たして大きい劇場が確かにあった。
ソ連時代の建物。
映画もコンサートも何もかもの、多目的ホールだ。
楽屋は舞台から遠いので、
舞台の後ろを楽屋に使わせてもらうことにする。
ただ、もちろん畳はなく鏡もない。
「大丈夫。公演は明日ですから、それまでに用意します」
舞台は結構広く、その床は、危惧していたより綺麗。
ささくれ立った板敷きとか
コンクリートそのままをも予想していたが、
いわゆるフローリングだった。
でもホコリだらけ。
「大丈夫。明日までに拭いておきましょう」
いつの間にか現れた劇場支配人の女性が言う。
少しの不安を残しながら、劇場を後にした。

一旦ホテルに戻るとY氏は、
「一時間後に迎えに行きます。
子どもたちと一緒に遠足に行きましょう!
日焼け止めと水着を忘れないように!」

そして一時間後、四輪駆動車が私たちを迎えにやってきた。
その後ろには、これ以上ポンコツにはならないだろう、
というようなバスが。
そちらのバスには、子どもたちが15人ほど。
哀れパーシャ君はそのバスに乗り込み、
私たちは四輪駆動車へ。
行き先は?
「ハスを見に行くんだって。私たちも知らないの」
と助手席の女性。
彼女と運転席の男性は、キャンプに参加している子どもの親だった。
四輪駆動車は、バスのあとを追いながら、国道(?)をひた走る。
国道は、ロシアの草原を突き抜ける。
見渡す限り、草原と、遠くに森。
私にとって、ロシアならではの風景のひとつだ。
1時間ほど走っただろうか、車は、森の中へと入っていく。
水溜りだらけの酷い道。
前後左右に車は揺れる。
「大丈夫ですか?」
「大丈夫」
やがて前方のバスも停車、目的地に着いたようだ。
恐る恐る降りる。
木々の間から見えたのは、
まさしくハス。蓮の花、花、花。
濃いピンクの蓮の花が見渡す限り。
壮観だった。
野生の蓮らしく強い生命力を感じた。
うーん凄い。
統率のとれた子どもたちは、
私たちのためにパラソルを立ててくれて、
シートを引いてくれる。
そして彼らは水着になって、救命具をつけ、
蓮の池に飛び込んでいった。
「蓮って、泥の中に咲くんじゃなかったっけ?」
「大丈夫!清潔な水です」
誘われて私たちも水着に。
少し水は冷たかったが気持ちよかった。
森の奥のちいさな池。
目の高さに蓮が咲いている。。。
元水泳部だった夫も楽しそう。

しばらくして陸に上がり、パラソルの下で休憩。
すると子どもたちがスイカとパンと蜂蜜を持ってきてくれた。
なんとも不思議な取り合わせだが、
これが美味しい!!!!!
スイカはみずみずしく、蜂蜜も野生の味。
うーん、気持ちよい!

続く
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by mitsuko-t-sakurai | 2010-09-20 11:47