舞踊評論家が日々思うこと


by mitsuko-t-sakurai

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感動は与えるものなのか

ずっと前から気になっていたけど、
震災後、もっと気になりだした言葉がある。

「感動を与えたいです」
「感動を与えられるダンサーになりたいです」
「感動して頂ける演技ができたら・・・」
「感動してもらえるような作品をつくりたい」

芸術家やアスリートがインタビューでよくこう答えている。
でも、「感動」って与えるもの?
「感動」は与えられるものであって、与えるものじゃないと思う。
感動を「元気」に変えても同じ。

感動を与えようとする演技にしろ作品には、
なんか、押し売り感や、あざとさを感じる。

感動したから感動を与えたい、という気持ちは素直。
だから10代前半のジュニアが言うのはいい。
バレリーナを目指す少女がいうのはいい。

だけど、プロのダンサーや世界を目指しているアスリートに、
「感動を与えたい」なんていわれると、
「そんな余裕があっていいの??」と思ってしまう。

私が尊敬するダンサーやアーティストの口から、
この言葉は聞かない。
真摯に何かに打ち込んでいる人は、
それで完結しているんだと思う。

最近では、体操の内村航平氏が、
全日本優勝時のインタビューで、
淡々とやるだけです(私の超訳)みたいなことを言ってた。
やはり凄い人だと思いました。
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by mitsuko-t-sakurai | 2011-04-30 16:18

私が書きました!

「ダンスマガジン」6月号に、
震災後に神戸で観たKバレエカンパニー公演
についてのレポートを寄せています。
また「DDD」4月号に、
ファルフ・ルジマトフのインタビュー記事を寄せています。
読んで頂けたらうれしいです。
どちらも写真が素敵ですよ。

原稿を書くときは、いつもいつも、
「私に書くことが出来るのかな~~~」
と心配になります。
でも、上記の二つの原稿は、なかでも、特別に心配でした。

まず、Kカンパニー公演は、
震災後に観た最初のバレエで、私自身が冷静じゃなかったし、
また、その公演のレポートを書くと言う事は、
震災にも対峙することで・・・。
なんだか、おろおろしてしまった。
でも、いつものことだけど、結局は、
私は私でしかないから、正直に書くしかない!
と開き直って書きました。

ルジマトフのインタビューは、
震災よりずーっと前の、今から思えば平和なときに
行いました。
インタビュー記事は、
その人の真実を、なんとか読者に誤解がないように伝えたい、
と思うので、レポート記事とはまた違う神経を使います。
特に今回は、通訳なしにインタビューしたので、
彼の言葉をどのように日本語にするかは
私次第なので・・・責任重大!
47歳で踊っている彼の凄さ、
肉離れでも舞台に立った彼の思い、
(もちろん批判も多かったのです)
そういうことを、私が書くことができるのか、と不安でした。
ただ、昔は、インタビューとなると口数少なくなって、
「キミのロシア語はわかりにくい」なんて言ってたルジマトフが、
このときは、じっと私の言葉をきいて、ゆっくりと答えてくれた。
(だから余計にプレッシャーだったんですけど)
何度も何度も録音を聞いて、雑談もくまなくテープ起こしして。
そうして、やっと仕上げました。
読んでください!!!
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by mitsuko-t-sakurai | 2011-04-29 22:51